72人の処女と毎日セックス!イスラム教の天国


From:DENNY喜多川

コラムはじめました。
DENNY喜多川です。
歴史とセックスについて研究しています。

人類の歴史においてセックスは、時に聖なるものとされ、時に邪悪なものとされてきました。
どちらにせよ、セックスを無視するわけにはいかなかったのです。
時に厳しく規制され、時に激しく乱れた、セックスの歴史を追う旅に出ましょう。

一部過激派によるテロや、原理主義者による「イスラム国」建国など、異質で理解不能と思われがちなイスラム教であるが、その実態は意外なほど知られていない。
たとえば、イスラム教の天国がどんなところかご存じだろうか?

キリスト教の天国・仏教の浄土

キリスト教の天国は、聖書にはあまり具体的に記されていない。
クリスチャンがおおまかに持っているイメージとしては、
「仲間や天使、イエスと神ご自身らと一緒に、永遠の時を過ごせる」
このような場所として捉えられているようだ。

仏教の天上界は、天上人が住まう快楽に満ちた楽園であるが、まだ六道(*)のうちに過ぎない。
悟りを開く、あるいは諸仏のお導きで六道から解脱すると、菩薩の住まう浄土に到達することができる(宗派によって、名称や概念には大きな違いがある)。

六道(*)…人間が善悪の業因(ごういん)によって行きめぐる六つの世界。地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上。

ではイスラムの天国は……?

さて、イスラムの天国はと言うと、聖典であるコーランにえらく具体的に記述されている。

「天国では、みなアッラーの側近にはべり、至福の楽園に住む。みな、錦の織物を敷いた寝台に寝て、彼らの間を、永遠に若い美少年が歩き回って給仕する。現世では酒は禁じられているが、天国では美少年の給仕する美酒が飲み放題である。美味しい果実や肉も、食べ放題である」

ここまででもう、お腹いっぱいであるが、天国の描写はさらに続く。

「アッラーは天国の我々のために、特別な伴侶を用意した。その数は一人に対して七十二人で、彼女らは永遠に処女のままである」

イスラム教は処女厨?

七十二人の処女!
いかな処女厨と言えども、これには満足するであろう。
しかも彼女らは永遠に処女、つまり「何度セックスしても処女」なのである。

……処女厨なのはアッラーかムハンマドか、はたまた七世紀のアラブ人か。
ともかく、現世で酒も豚肉も婚外セックスも禁止されたイスラム原理主義者たちは、「アッラー、アクバル!(アッラーは偉大なり)」と叫んで、自爆スイッチを押すのである。
天国で酒と豚肉と、処女とのセックスが待っていると信じて。

イスラム教におけるセックス

このくだりはよく非ムスリムから批判を受けるし、フェミニストは目を吊り上げて怒るであろう。
しかしこの「現世で禁欲、来世で快楽」はイスラム教の本質ではなく、むしろイスラム教は、快楽を肯定する宗教なのである。

婚外セックスは厳しく禁じられているが、その代わり夫婦間のセックスは大いに奨励され、男女とも「互いに快楽を与え合うように」とされている。

キリスト教原理主義者たちが、「生殖以外の目的のセックスは全て罪である」としがちなのと好対照である。
ちなみに旧約聖書にはセックスを罪悪視する箇所はないし、新約聖書においても、イエスはセックスについてほとんど語っていない。
イエスの死後に出現した伝道者であるパウロの言葉には、セックスを罪悪視するものが多いようだが。

イスラム教は一夫多妻で知られているが、もともとは戦争で寡婦となった女性に対する救済措置であり、「複数の妻を持つ者は、それぞれの妻を完全に平等に扱うこと」と、コーランは厳しく戒めている。

コーランとセックス

こうして見ると、イスラム教は七世紀の宗教としてはえらく進歩的である。
ただ、コーランを「不磨の聖典」としてしまったことで、その後の世界の変化に取り残され、聖書に「多様な解釈」を認めることで変化に対応した、キリスト教の後塵を拝してしまったようだ。

女性を公共の場から排除した結果、イスラム圏では「少年愛」が大流行する。
コーランが少年愛を禁止しなかったからである。
しかしアナルセックスは禁止されている。

性欲そのものを罪とみなしがちなキリスト教に対して、イスラムは「性欲の適切な解消」を訴えた。
しかしイスラム圏でも売春はなくならず、「結婚して部屋に入り、離婚して部屋から出て行く」かたちでの売春が行われているという。

 

日本人の我々には縁遠く、また原理主義者のテロなどによって何だか恐ろしいもののように感じられるイスラム教。
しかし、イスラム文化圏にも人々の日々の暮らしがあり、日々のセックスがあるのである。

photo by sibikos

 

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DENNY喜多川

iOSアプリ「セックスの日本史」著者。「歴史は夜作られる」すなわち、セックスこそが歴史を作ってきた、との信念に基づき、研究を続ける歴史研究者。「知っているか?人間のペニスにカリがあるのは、他のオスの精子を掻き出すためだ!」