高級チョコの由来はストリーキング?ゴダイヴァ夫人の物語


ええ話では終わらない?ピーピング・トムの伝説

しかし、「ええ話」には下衆(げす)なツッコミを入れたくなるのが人情というもの。
それが、『ピーピング・トム』の伝説である。

「町の人々は、ゴダイヴァ夫人の気高い志に打たれて、誰もが窓を閉ざし、カーテンを下ろして、彼女の裸を見ないようにした。
しかし、トムという仕立屋が、好奇心とスケベ心に負けて、ゴダイヴァ夫人のストリーキングをこっそりのぞき見してしまった。

このことがいつしか知れ渡り、世間ではのぞき魔のことを『ピーピング(のぞき)・トム』と呼ぶようになった」

『ピーピング・トム』の伝説が最初に確認されるのは一八二六年。
十七世紀頃には、すでにコヴェントリー地方に広まっていたようだ。
トムの職業が仕立屋であることは、童話『裸の王様』を思わせなくもない。

史実?伝説?

十七世紀に成立したとおぼしきピーピング・トムの伝説は、デマや都市伝説の類として、この事件は本当にあったことなのだろうか?
そもそもゴダイヴァ夫人は実在したのか?

幸い、レオフリック伯とゴダイヴァ夫人は、伝説通り信仰活動に熱心だったので、彼らの設立した修道院や教会についての記録が残っていた。
それらによると、レオフリック伯は一〇五七年、ゴダイヴァ夫人は一〇六六年から一〇八六年の間に亡くなったようだ。

しかし残念ながら、事件についての記録は信頼できる史料には見当たらず、歴史家たちの意見は、
「伝説は事実ではない」
として、おおむね一致している。

 

先日、ゴディバ社の「日本は、義理チョコをやめよう」という新聞広告が話題になった。
正直、日本の義理チョコ文化はセクハラに当たるような気もしないでもないが、これを言い出したのがゴディバであることには引っかかる。

ゴディバのチョコは、そもそも義理チョコにならない。
元々本命チョコにしか用いられないゴディバがこの広告を打つのは、
「ゴディバには何のダメージもなく、競合他社にダメージを与える」邪悪なプロモーションなのではなかろうか。

義理チョコ、本命チョコ、友チョコ、自分チョコ。
広がりを見せた日本のバレンタイン文化がこれからどうなっていくかはわからないが、読者諸姉にとってのバレンタインデーが、楽しい一日であらんことを。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

DENNY喜多川

iOSアプリ「セックスの日本史」著者。「歴史は夜作られる」すなわち、セックスこそが歴史を作ってきた、との信念に基づき、研究を続ける歴史研究者。「知っているか?人間のペニスにカリがあるのは、他のオスの精子を掻き出すためだ!」